そこは“今年は”と言うべきか、
それとも“今年も”と言うべきか。
昨年は関西が途轍もなく猛暑だったのを引き継いでか、
そりゃあ暑かった関東の夏だったので。
そちらも近年稀なペースで何度目かに襲い来た豪雨の後、
いきなりの逆落としっぽく、
物凄い落差で涼しくなったのには、正直 面食らったもんで。
「朝晩が過ごしやすくなるってだけなら判っけどよ、
昼間ンなっても
そんなまでカンカンに暑いってことはないもんな。」
「そうそう。」
毎度お馴染み、賊学大のアメフト部のお兄さんたちが、
さすがに、ランニングやサーキットトレーニングなんていう、
いわゆる全身運動の後は、
汗も流れりゃ息だって上がるから。
スポーツドリンクを飲みながら、
タオルやお絞りのお世話になりつつという身ではあれ。
それでも、ほんの半月かそこらしか経ってない、
先月 八月の半ばまでは、
殺す気かという酷暑だったのになぁと。
意外なくらいの駆け足でやって来た秋めきへ、
どこの韋駄天ランニングバックだと、
うっとこの このシリーズでは微妙な言いようも取り混ぜ(笑)
クールダウンの休憩に入っておいでの彼らを、
やや離れたところから眺めつつ、
「まあ、星取りリーグに入った中、
涼しく試合がこなせるのは助かる話だよな、実際。」
あの着ぐるみを、お父さんの前で一度でも着てやったのでしょうか、
今は、小粋な秋向けのそれ、
バイカラー・パーカにカットソーを重ね着し、
サブリナパンツ風のクロップ丈のパンツを合わせたという、
なかなか小じゃれたいで立ちの小さな軍曹さんが。
エアリーな金髪を秋の陽に甘く照らされながら、
色白小ぶりな細おもてをツンとお澄ましさせ、
重たげなバインダーを手に 一丁前なお言いようをしてみたり。
「涼しいと体がよく動くのは相手もだろうが。」
お前までもがお気楽な言いようとは珍しいと、
子供扱いしてないからこその意外そうなお顔をしてしまう、
同じベンチで戦力分析にかかってた
フリル・ド・リザードの主将様なのへは、
「それは基本中の基本じゃん。」
子供みたいなと微笑うじゃあない、
子供みたいなこと言うなんて奇妙なことよと、
胡散臭そうに眉を寄せた反応をこそ、
坊やの方でも“そうそう そうこなくちゃ”と思うたか。
ふふんと満足げにあしらってから、
「選手部員の体調の話ってだけじゃなくてだな、
出端の初日から、観客動員も結構なもんだったって話だよ。」
「ああ、な〜る。」
いつもの年だと、初戦はどうしても、
まだ暑いからかスタンドからの観戦は敬遠されがちのはずが、
今期はスタジアムが結構埋まってたじゃんかと、
そこを言いたかったらしい妖一坊っちゃんだったようで。
…片やは小学生だってのに、いちいち深い会話だ。(苦笑)
今期も大事だけど、
肝心な俺らが辿り着いたおりに
すっかり衰退してたら目も当てられねぇじゃんか、と
ケーブルテレビへの露出から、観客動員にまでと、
いろんな意味から広い視野で気を配っておいでの子悪魔坊や。
とはいえ
「…そっち、ちょっと寒いんじゃねぇか?」
陽が陰って来てのこと、吹く風もやや肌寒いのへ、
ほれと自分が着ていたウィンドブレーカを
差し出してくれた主将さんだったのへは、
「お、おう。///////」
今から合流すんだったら預かっといてやんぜ、なんて。
いかにもな ツンデレ台詞で誤魔化しながらも、
お顔がほのかに赤くなってりゃあ世話はなく。
前倒しの秋は、色々と運び来るのも前倒しらしいです。
〜Fine〜 14.09.20.
*いやはや涼しいですよね。
今年は残暑はパスイチなんでしょうかね。
涼しいの大いに結構ですが、
朝と昼とで着るものに困るのが難でございます。
めーるふぉーむvv
or *

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